こんにちは。
親子で営む、出張採寸オーダースーツM&M(エムアンドエム)の世菜です😄
「体は女性だけれども、本当は体のラインが出ないようなメンズライクにスーツを着たい。」
「肩幅が大きく強調されるものではなく、女性らしい曲線を作り出したい。」
「「「心から自分らしいと思えるスーツが着たい。」」」
と悩むトランスジェンダーの方々。
そのお悩みにお答えします😄
☑この記事を書いている人
この記事を書いている私は、
大阪市西区阿波座に42年の『出張採寸のオーダースーツ専門店M&M』の2代目候補・世菜アルトンと申します。
留学やワーキングホリデーで海外経験があり、その後もバイセクシャルの外国人とのルームシェアや、大阪街中でのフリーハグ、ボランティアとしての2017年バンクーバープライドパレードにも参加し「人種の多様性」「性の多様性」「文化の多様性」をオープンに受け入れてきました。
・・・なんて、テーラーっぽい固い話し方をしてみましたが、本音は
「いろんな人がいいた方が人生楽しいやん🎵』
。。。笑
どんなお客様も気楽に来店してほしい、スーツ屋としてもオープンに様々なお客様を受け入れることを知ってもらいたい、と今回の記事を書くに至りました。
この記事を書くにあたって、自身のボディをマネキン代わりに、『作りたいスーツのシェイプ』『こう見られたい』『今回はもっとストーンとした無骨なものを』など色々イメージし、様々なスーツを試作しました。
レディースパターン / メンズパターン、自在に活用することで、一つの同じボディを色んな見せ方が出来ることを実感しましたので、記事ではそれぞれの特徴や美点もお伝えできたらと思います😄
(今回は写真が間に合わず、男っぽくの例は当社代表モリニシのスーツの写真を使っています(._.))
私の結論
- 体型での工夫:男っぽいとは肩幅が広く直線的/女っぽいとは肩幅が小さく凹凸がある
- スーツのルールを使った工夫:スーツで性別を区別する前合わせ『メンズは右前/レディースは左前』
- デザインの工夫:性別の印象を大きく変える見た目
今回は上記の結論を深堀りして2−3分ほどの記事にしました。
1. 体型での工夫
男っぽい体型/女っぽい体型とは何でしょうか?
様々な定義がありますが、代表的なイメージは
・男っぽい:肩幅が広く直線的
・女っぽい:肩幅が小さく凹凸がある
メンズスーツは肩パッドが厚めに入っていたり、
レディーススーツは凹凸を出すために縫い合わせるパーツが多くなっていたりと
メンズスーツ/レディーススーツの造りもこの概念に基づき一般的に作られています。
・・・
・・・と、いうことは!
スーツで男っぽく見せたい/女っぽく装いたい場合はこちらのイメージを目標として整えていけばよいのです!
【男っぽく装いたい方】
肩パッドが厚めのもので少し大きめのサイズを選び全身のラインを直線的にする。
【女っぽく装いたい方】
凹凸を出すためにインナーの下に詰め物を入れ、肩先と胸元に丸みを足し、肩パットは無しか出来るだけ薄いもので曲線が綺麗なスーツの着こなしにする。
2. スーツのルールを使った工夫
万国共通ルールとして、
・メンズスーツの前合わせは「右前」
・レディーススーツの前合わせは「左前」となっています。
『前合わせ』とは、
ジャケットの脇からお腹にかけての左右のパーツのこと。
今は流行りによって様々なデザインのスーツがありますが、この「前身頃の方向」は今でも変わっていません。
私達スーツ業界でも、
メンズスーツ/レディーススーツを見分けるときはデザインではなく、この前合わせの方向を真っ先に確認します。
見た目の性別を男性/女性と確定付けたい方は
この前合せの方向を覚えてスーツを着こなすことをオススメします。
豆知識になりますが、
・右身頃と左身頃を重ね合わせるから『前合わせ (前身頃)』と呼びます。
・自分の体に右身頃をまず合わせ左身頃をその上にかぶせる服は『先に(前に)右を合わせる』ということで『右前』、左身頃をまず合わせる服は『左前』と呼ばれます。
3. デザインの工夫
・・と、ここまでかなりマニアックに
レディーススーツ/メンズス―ツの造りについて書き込みましたが
ここからはデザインでスーツ姿を女っぽく/男っぽく見せる工夫をお伝えします😄
〜ジャケット〜
着丈
まずはジャケットの裾の長さ=『着丈』。
メンズスーツの着丈は、
「着丈はお尻が隠れるくらい」と決まりがありますので、男っぽくしたいならこれに従いましょう。
レディーススーツの着丈には、
特に決まりはありませんがスカート、パンツ両方に合わせるならお尻の頂点の位置が無難とされています。
思いっきり女っぽく見せるなら、「お尻の丸み(=凹凸)が2/3ほど見える短め丈」をお薦めします。
Vゾーンの深さ(前ボタンの数)
次にVゾーンの深さ、これはほぼ前ボタンの数、と言えるでしょう。
ボタンが増えるごとに胸元のVゾーンは浅く男っぽくなります。と言っても今メンズスーツで主流の前ボタンの数は2つ。
前2つボタン+ベスト着用でゾーンが最大限浅くなるよう、男っぽく着る場合はベストを利用しましょう。
対して、
女っぽく着る場合は前1つボタンのジャケットだとVゾーンが深くなりGoodです!
衿の有無
ジャケットの衿はノッチと呼ばれる『衿』がついたものが男女ともに基本です。
ただ、
レディーススーツは衿無し(ノーカラー)も大変お洒落です。
カジュアルなメンズジャケットですと、
最近衿無しジャケットをテレビや雑誌でも見ることがありますが、
まだまだビジネススーツとしてはレディーススーツの独断場ですので女っぽく装う時にはこれを大いに活用しましょう!
〜ボトムス〜
パンツスタイル/スカートスタイル
貴方はパンツ派?それともスカート派でしょうか?
もちろん男っぽく装いたいならばパンツ1択ですね。
腰回りは臀部の丸みが目立たないように適度なゆとりを入れて裾はストレートにストンと落としましょう。
女っぽく装いたいなら、
スカートスタイル/パンツスタイルは迷うところですね。
スカートは女っぽい装いではありますが、女っぽい歩き方を心掛けないと人から違和感を感じられてしまいます。
また足の筋肉は男っぽさが目立ってしまう部分でもあります。
歩き方や下半身の頼りなさ、毛の処理に慣れないうちはパンツスタイルをお薦めします。
パンツ丈
男っぽく装う場合のパンツ丈は、
靴下が見えない短すぎない丈にしましょう。
女っぽく装う場合は、
フレアタイプにして靴(パンプス)を履いて床より1~2㎝上の丈にしましょう。
足首が細い方であれば、
3つの首を見せる(首・手首・足首)の女性ファッションの哲学に従ってアンクル丈という足首が見える短い丈にしてもいいでしょう。
最期に
もちろん皆一様の体型ではないので、
『着丈は短くするよりも長くして隠したい!』
『美意識として肩幅が広いスーツは着たくないが男っぽさを前面に出したい!』
などなど。
今回のメソッドに頷けないトランスジェンダーの方もいらっしゃるかと思います。
本記事の内容に共感頂けた方も含め
トランスジェンダーの方々でスーツでお悩みの場合は
私、オーダースーツM&Mの世菜に是非ご相談ください。
貴方の服の悩みを解決する為に私達がいます。
これからもお客様の人生に寄り添う服屋でありたい。
オーダースーツM&Mの世菜でした(*^^*)
2022.2.17 改定